夢主まとめ

エリヤ・ライサンダー

「手元から一度飛びだった鳥ほど捕まえにくく、是が非でも捕まえたくならないか?」

──ある夜。エンジェルズシェアでグラスを傾けながら、ガイアはそう妖しく笑った。

☪概要
 元・西風騎士団所属の『炎雷騎士』。任務で利き手の腱を切られてしまったが為に剣を握れなくなってしまい、騎士団を辞して冒険者協会に所属した。主な仕事は各国の冒険者協会とのパイプ役、情報収集・整理など。神の目を使った遠距離攻撃を用いるが、武器は握れない。
 穏やかで柔和な人物。モンドを離れていることが多いが、滞在している時は城下町に家を借りていることもあり『エンジェルズシェア』に居ることが多い。

詳細

名前:エリヤ・ライサンダー
   (Elijah・Lysander)
性別:女
誕生日:12/27
所属:モンド城
神の目:雷
命ノ星座:遊鳶ゆうえん
武器:双剣
称号:モンドの”影”

年齢:22~24歳
身長:155cm
ICV:山村響

一人称:私
二人称:貴方/あんた

容姿
髪… アイボリー
目… マゼンタ


☪詳細

という建前を持つ。
 正義感が強く、あまり表には出さないが激情家。『モンドを守る』ことに固執しており、仇をなす者・害ある者には極めて冷淡。反対に協力的な者には上記の柔和な態度で居る。
 モンドの商家出身であり、アカツキワイナリーの酒も扱っている。幼い頃から父親と共にワイナリーに出入りしていた為、ガイア・ディルックとは顔なじみ。親子共々クリプスに世話になっていた為、かなりの信頼と尊敬を寄せていた。故にクリプスが亡くなった事件で騎士団上層部に強い嫌悪感と反発意識、失望を抱き、退団して『どうすれば真にモンドを守れるか』と考え、行動するようになる。考え至った方法が『腐りきった騎士団上層部や蔓延る貴族を排除(暗殺)する』ことであるため、あまりおおっぴらに活動していない。
 騎士団時代はガイアと恋仲であったが、退団を機に関係が有耶無耶になる。が、縁を切ったわけではなく、現在はガイアとの懐刀的存在として陰ながら力を貸している。

 モンドを守る手段を探す為、退団してから二年ほどは七国を周り、最近(本編開始まで)はスネージナヤでファデュイの動向を追っていた。その最中にタルタリヤに会い、目をつけられている。
 冒険者協会に所属しているし仕事もしているが、ほぼ上のことへの隠れ蓑。
 秘密裏に活動していることから、ガイア=ディルック間で話題に上がる時は《鳶》《鳶の眼》と暗喩を用いられている。
 しょっちゅう険しい顔をしているが不機嫌というわけではない。素直な性格ゆえに感情が顔に出やすく、それを隠すためのもの。よくガイアの前で厳しい顔をしている。
詳細 ┊ ボイス

初めまして:「モンドのエリヤよ。冒険者協会の情報担当……って言っても、貴方にはバレてるか。貴方がモンドに害を為さない限り、私はこの炎雷で力を貸すわ。宜しくしましょう?」

世間話・暇:「ついでに協会へ来てた依頼も片付けちゃいましょうか」

世間話・騎士団:「騎士団なんて、信用出来ないわ」

世間話・正義:「誰かの考える正義って、別の誰かから見れば悪だったりするものよ。だからもし、貴方が誰かに行いが悪だと糾弾されても、諦めないで。自分が最後まで正義だと信じた道を突き進んで」

雨の日・過去:「……天気が悪いと、どうしてもあの時のことを思い出すわね。ああいや、こっちの話よ」

雨の日・憂鬱:「雨が降ると水を吸って外套が重くなって嫌ね。そろそろ防水の薬を塗らないと」

晴れの日:「快晴、冒険日和ね。行きましょうか」

暴風の日:「この風を浴びると、モンドに帰ってきたって思うわね」

おはよう:「ふあ……まだ眠いわね……」

こんにちは:「いまエンジェルズシェアに行けば裏メニューが試せるかもね。一緒に行く?」

こんばんは:「ある意味活動時間ね。貴方を巻き込むつもりはないから、ここで大人しくしていて頂戴」

おやすみ:「帰りは気をつけなさい。何が起こるか分からないもの」

エリヤ自身について:「左手? ああ、そっか。表向きには使えないってことにしてあるけど、ご存知の通りちゃんと動かせるわ。心配いらないわよ」

「神の目」について:「私の神の目は覚悟の証。事実の証明。──私は、必ず私の正義を貫く。誰になんと言われようと」

シェアしたいこと:「西風騎士団のガイアって知ってる? ああ、もう会ったことがあるの。あいつをあまり信用しないようにね」

興味のあること:「少しだけ錬金術を齧ってるの。複雑な理論は理解してないから簡単なものだけだけど、薬とかを作れるのは良いわね」

ガイアについて・通常:「秘密主義ってどう思う? 自分のことは全て暴かれてるのに、向こうのことは少ししか知らされてないの。全く、癪だわ……何よ、別に誰のことか言ってないでしょう」

ガイアについて・好意:「……まあ、だからあいつが本音と本心を見せてくれるっていうのなら、私だって少しは考えるわよ。色々と」

ディルックについて:「闇夜の英雄? フフ、それをディルックの前で聞いてみなさい。きっと変な顔をするから」

アンバーについて:「あの子を見てると、昔を思い出すわ。……昔の私って、あんな感じだったらしいの。まあ、それも過去の話だけれどね」

タルタリヤについて:「《公子》……本当に厄介な奴に目を付けられちゃったわね。ああ、前にね、スネージナヤで少し。私は戦いに快楽を見出さない質なのだけれど……戦うってことは、生きる為に誰かを犠牲にする行為よ」

エリヤを知る・1:「私の話? 私は冒険者協会で情報を扱う担当をしていたり……ご存知の通りモンドを守るために色々しているわ。ええ、色々ね」

エリヤを知る・2:「私にも兄妹がいるわ。ん? 天涯孤独っぽいって? 失礼ね、ちゃんと親も兄も健在よ。アカツキワイナリーと璃月の中間辺りに大きな屋敷があるんだけど、そこが私の実家よ。商家で、色々取り扱っているの」

エリヤを知る・3:「私が産まれて間もない頃かしら。商売に失敗して、家族も雇ってた使用人も全員が路頭に迷いそうになったらしいの。そこに手を差し伸べてくれて、色々援助してくださったのがクリプスおじさまなの。本当に、頭が上がらないわ」

エリヤを知る・4:「よく父親の商談について行ってたから、ディルックとガイアとは昔からの顔見知りなの。そろって遊んで、そろって騎士団を目指して……今はそれぞれの場所にいるけど、後悔はしてないわ」

エリヤを知る・5:「なんだかんだ貴方との付き合いも長くなったわね。貴方の目的が果たされて別の場所へ行く時が来ても、私と旅した記憶は連れて行ってほしいと思うわ」

エリヤの趣味:「料理を作るのは嫌いじゃないわ。野宿の時でも美味しいものが食べれるし、他の国の料理も材料さえどうにかすればモンドでも食べれるもの」

エリヤの悩み:「誰かさんが私を鳶と例えているらしいの。別に……猛禽類は嫌いじゃないし格好いいと思ってるけど、なに勝手に暗喩を作って呼んでるのよ」

好きな食べ物:「エビの料理が好きよ。水晶蝦とか、エビのポテト包み揚げとか。……話してたら食べたくなってきたわ、鹿狩りに行かない?」

嫌いな食べ物:「粗食は嫌いだわ。栄養もないし、味だって最悪。最低限の《料理》の形くらい保ってほしいわ」

突破した感想・起:「まだ。こんなものじゃ足りない……」

突破した感想・承:「剣だけ上手く扱えたって意味がないの。神の目の力も、我が物にしなきゃ」

突破した感想・転:「この力が昔からあれば、おじさまだって……いや、ただの願望ね」

突破した感想・結:「」

詳細 ┊ キャラスト

▼ストーリー1
 エリヤは冒険者協会に所属する情報処理担当官だ。毎日山のように来る依頼を精査し、冒険者に払う報酬金の出納を管理し、各国にある冒険者協会とやり取りをし、時には現地へ赴く。故に彼女に用があっても不在ということが多いだろう。
 そんな時は、エンジェルズシェアに顔を出してみると良い。タイミングが良ければ、ひょっとしたらエリヤは仏頂面をしながら異国の風貌をした庶務長と酒を飲んでいるかも知れない。
 本人たちはただタイミングが合っただけで約束して飲んでいるわけではない、と言い張るだろうが。

▼ストーリー2
 四年前、エリヤは西風騎士団で『炎雷騎士』の称号を授かる筆頭騎士だった。炎の如き猛々しさと、雷のような速さで敵を両断するその勇姿は、未だに脳裏に焼き付いている騎士も少なくはないだろう。
 しかし、とある任務中に利き手の左手を負傷。腱が切れて得物を持てなくなってしまったエリヤは退団を決めた。実家に帰って家業──モンドの酒を各国に輸出する貿易業の手伝いをするかとも考えたが、優秀な兄は家業を完璧にこなすし、エリヤは貿易とは違う形で人々の助けになりたいと考えた。剣は触れずとも、何か出来る筈だと。
 そうしてエリヤは冒険者協会の門扉を叩き、情報担当官となる。騎士団で書類仕事もこなしていたエリヤにとって、それは慣れた作業であり、誰かの手助けが出来る絶好の仕事だ。
 
▼ストーリー3
 それらは全て建前だ。
 四年前のあの日まで、エリヤは実直で明るく、正義感が人一倍強い騎士だった。
 降りしきる雨の匂いと、音と、そこに交じる血の臭いと惨状はいつになっても忘れられないだろう。
 エリヤとガイアが現場にたどり着いた時、恩師と仰ぐクリプスは既にディルックの腕の中で事切れていた。後ほど彼に聞けば、突如として魔物が自分たちを襲ったと。クリプスが奇妙で不吉な力──後に『邪眼』と知ったそれを振るって魔物を倒し、その力の反動で亡くなったと。
 言葉にできない程の悲しみを抱える中、エリヤが当時の督察長から受けた命令は「真実を隠せ」というものだった。
 騎士団の名誉と体裁を保つため、クリプスの死は「不慮の事故」として処理されると。
 失望。嫌悪感。反発意識。色々な感情がエリヤの中を駆け巡り、気づけばエリヤは騎士団の上着をその場に叩きつけていた。
 「そんなに騎士団の面目が大事ですか? 一般的如きに名誉が奪われてなるものかと? ──そんなもの、正道を歩む者のすることじゃない」
 『正義』とは何なのか? モンドを守るとは誰が、どうするべきなのか?
 その答えを探すため、エリヤは騎士団を辞し、己の信ずる《正義》のあり方を探すべく、七国を回る旅へと出た。

▼ストーリー4
 七国を巡る旅路で、エリヤは色々なものを見た。色々なことに触れた。
 そうして得た気付きは──「癌や膿は早々に切除しなければならない」ということだった。モンドを守るためには、腐った考えを持つ騎士団上層部や悪人は切除するしかない。放っておけばモンド全体に癌が広がってしまう。
 そうして数ヶ月、十数ヶ月に一度ふらりとモンドに戻ってきたエリヤは闇夜に紛れ、人知れず騎士団上層部や悪人を暗殺した。躊躇いはなかった。あの衝撃的な事件と過酷な旅路、そして年月は素直で純真無垢な少女の心を麻痺させるには十分過ぎた。
 暗躍しながら、表向きには各国の冒険者協会との橋渡し役を務め、『邪眼』の正体を探す旅を続けた。
 分かったことは、全ての元凶はスネージナヤに潜んでいること。そして──ファデュイ執行官第十一位《公子》は、とても厄介な存在だということだ。
 そうしてエリヤは、今日もスネージナヤへと向かう旅を続ける。

▼ストーリー5
 一人で悪を討つには、どうしても限界がある。離れた場所で同時にアビス教団が暴れれば、どちらか片方しか殲滅出来ない。考えたエリヤは同時期に七国を旅し、戻ってきたディルックと共に闇夜を駆け、時にはガイアの『後処理』を手伝う代わりにこちらの根回しや情報交換、助力を乞うようになった。
 共に未来を夢見、騎士団へ憧れた者たちはそれぞれ違う場所に立って異なるものを見ているが、それでも程々の関係性を保ちながら、今日も三人はエンジェルズシェアでグラスを傾けるのだ。
 酔っ払った騎士が以前、聞いたことがある。
「ガイア隊長とエリヤさんって付き合ってましたけど、別れてしまったんですか?」
 あの日まで二人は恋人関係だった。エリヤが退団してからは何となく疎遠となってしまったが、別に縁を切ったようには見えず、かと言って仲睦まじくしている様子もない。付かず離れずの距離に居る二人を見て、疑問に思わない者は少ないだろう。
「さあ、どうだろうな。俺としては、一度羽ばたいて行った鳶をもう一度捕まえたいと思っているが」
「あんたが見て、思った通りの関係よ」
 ……当人たちはそう言うが、真相はいかに。



▼神の目
 「四年前、あいつが騎士団を辞めた時。あいつは「神の目」なんて持ってなかったんだぜ」
 どういうことだろうな、と薄く笑いながらガイアは『午後の死』の注がれたグラスを傾ける。
 その通り、騎士団時代のエリヤは「神の目」を持たない、ただの人間であった。
 しかし一年程、エリヤが旅をした頃だっただろうか。ふらりとモンドに戻ってきたエリヤは、どういうわけか「神の目」を手にし、雷の力を得ていたのだ。
 ……「神の目」を授かった経緯を、ガイアは知らない。何度かそれとなく訊ねたのだが、ただただ「気づいたら手の内にあった」と言うだけだった。
 「神の目」を授かったその日。エリヤはアビス教団の拠点を一つ壊滅させ、そのために負った怪我で死の縁にいた。
 こんなところで終わるのか。まだ生きたい。まだ終われない理由がある。様々な悔いと、執着と願望を抱いて硬い石の床を引っ掻いたその時。エリヤの全身を凄まじい元素力が駆け巡り、雷の形をとったそれは擦り合って炎を生み、エリヤの傷を焼いて防いだ。なんとか起き上がれるまでに回復したエリヤは、手の内にある紫色の「神の目」を見つめる。
 どの渇望に雷神は目を留めて、「神の目」を授けたのか。おぼろげだった思考ではどれか分からない。
 しかし、一瞬思った──『あの時が永久に続けば良かった』という後悔の念。
 ひょっとすれば、雷神はその『永久』の想いに視線を落としたのかも知れない。

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